東宮殿の皇太子の暗室。
息を潜めて、外の会話に耳をそばだてた。
「・・・、明日の予定は、それで全てか?」
「はい、殿下、公務は以上です。あと、来週の週末に長老様のお宅にお誘いを受けておりますが、お返事はいかが致しますか?」
「ああ、そうだった・・・断り続けるのも、そろそろ限界だな・・・。」
「たしか、ご友人からもパーティーのお誘いがおありで・・・?」
「ああ・・・、おそらく行けない、とは言っておいたが、はっきりと返事はしていないんだ。」
「私から、連絡致しましょうか?」
「いや、自分で断りの電話を入れる。長老には、招待を受ける旨、連絡してくれ。」
ああ・・・ヤバい!
こんな所に隠れていることがバレたら、殺されちゃうよ!
とりあえず、電気を消そう・・・そ~っと、プツリ・・・
ぎゃーっ!真っ暗!!!
「畏まりました、殿下。では、私はこれで・・・。」
「ああ、ご苦労だった、コン内官。」
従者が去って行き、パビリオンンに響く足音が遠くなった。
このままここに居て、皇太子が入って来たら、どうする?!
とにかく しゃがみ込んで体を小さく丸めて、部屋の隅に身を寄せた。
「もしもし、ファンか?ぼくだ。」
あ、誰かに電話してる?
「この間誘ってくれたパーティーだが、やはり出られそうにない。」
さっき言ってた、ご友人ね?
「ああ、そうなんだ。せっかく誘ってくれたのに、悪いんだが・・・・。」
ああ・・・、どうやって、ここから出よう?
「じゃあ、また今度、予定が合えばゆっくり話そう。」
電話は終わったみたいね。
皇太子、散歩にでも行ってくれないかなぁ・・・
「ん?これは・・・、コン内官、ファイルを忘れて行ったな。丁度、正殿に用事もあるから、ついでに届けてやるか?」
部屋の外に、カツカツと靴の音が消えて行く!
やった!皇太子は正殿に行ったわ!
ということは、しばらく戻らない!
今のうちに、ここを脱出しなくちゃ!
暗やみの中を這いつくばって、カーテンの出口へと進んだ。
外の気配を伺えば、シーンと静まり返っている。
今がチャンス!
ちょっとだけめくった遮光カーテンをくぐり、そのまま四つん這いでガラス扉に向かう。
誰か来たら直ぐに身を隠せるように、机の傍を通ったりして・・・
サッサと出なっくちゃ!
パビリオンなら、その場に居る言い訳はいくらだって出来るわ!
出口に近づいて少しホッとして、そろそろ立ち上がって歩こう、と思った時だった。
目の前に突然、2本の棒のようなものが現れて、行く手を阻んでいる。
これは?と思って、よく見れば、それは男性物のズボンの生地の様に見える・・・
まさか・・・護衛官?
どうしよう?
皇子の部屋に居る言い訳・・・そ、そうだ!
シーツ交換よ!
途中で落とし物をして、探していることにしよう!
ゆっくりと顔を上げて、下から舐め上げるように、その人の姿を確認した。
結構背が高くて、顔に辿り着くのに時間がかかり、ほとんど天井を見上げるような角度で、首が痛かった!
辿り着いて、目と目が合った。
切れ長の瞳が、凍り付くほどに冷たく光っている・・・
目の前に立ちふさがっているものは、信じられない存在。
「ひっ!・・・こう・・・たい・・・し・・・」
何?!
正殿に行ったんじゃなかったの?
あ、やっば~い!
敬称を付けるの、忘れた!!!
「で、殿下???!!!」
「何をしている?」
「も、申し訳ございません!あの、えっと・・・コンタクトを落としてしまいまして!」
く~!苦しい言い訳だ!!!
私、視力は裸眼で1.5よ!
「そうか・・・。一緒に探してやろうか?」
「め、滅相もございません!どうせ使い捨てですので、大丈夫です!失礼致しました!」
慌てて立ち上がり、一目散に部屋を出ようとしたところで、背中に冷たい声が刺さる。
「おい、待て!」
「ひっ!な、何でございましょうか?」
「忘れ物だ。」
「え?」
ふり向くと、皇子はベッドのある方向を指さしていた。
傍らの床に、取り替えたシーツとケットカバーが丸まっている。
「も、申し訳ございません!」
急いで戻って、シーツとカバーを丸ごと胸に抱えて、再び扉へ向かったけれど、長身の体がスッと前に出て来て、またまた行く手を塞がれた!
無表情の視線が怖い・・・
この表情、何を考えているのか、さっぱり分からない!
「僕の部屋で、何をしていた?」
「あの・・・、ベッドメイクを・・・。」
「ふっ・・・、暗室に、ベッドは無いはずだが?」
「うっ・・・。」
やだ!暗室に入っていたこと、バレてるし!
「あの・・・えっと・・・、コンタクトが転がって行ったかと・・・。」
「軽いコンタクトが、絨毯の上を転がる、とでも言うのか?」
「そ、それは・・・。」
「暗室から、何を持ち出した?」
「そんなことはしていません!何も、どこにも、触っていません!チラッと見ただけです!」
「僕と内官の話を、立ち聞きしていただろう?」
「いえ、立ってませんでした。」
「ん?」
「あ、いえ・・・、えっと・・、出るに出られず、仕方なく・・・ワザとじゃないんです!」
「ふ~ん・・・、信用できないな。」
「ホ、本当です!」
「じゃあ、確かめさせてもらおうか?」
「へ?」
皇太子の手が伸びて、私の両腕に添えられた。
「え?」
「ボディチェックだ。」
「は?」
添えられた手が、ほんの少し腕を撫でた。
ボディーチェックって・・・体中触られるの???
シーツをぎゅっと抱きしめて、思わず後ずさると、皇子の手が腕から離れた。
「ふふっ・・・、やはり、何か持っているんだな?」
「そ、そうじゃありません!本当に、何も・・・」
「じゃあ、どうして逃げるんだ?」
何なのよ!
このスケベ皇子!
体を触られると思ったら、逃げるに決まってるでしょう?
まったく、乙女心を分かってないんだから!!!
「本当に何も持ち出して居ないと言うなら、その証明をしてもらわなくては帰せないな。」
「証明?」
「服を全部、脱いでもらおうか?」
「は?」
「ここで、真っ裸になって、何も持って居ない事を証明しろ。」
「そ、そんな・・・。」
やっぱりこいつ、超スケベ!
どうしよう・・・こんな所で服を脱ぐなんて・・・しかも、まっぱって!!!
あり得ない!!!
「ふっ・・・、相当に困っているな。正直に話せば、許してやってもいいぞ。」
「正直に・・・。」
「暗室に入り込んだ本当の理由だ。コンタクトっていうのは、無しだ!」
正直に、って言われても・・・
本当のことを言ったら、それこそ、ただじゃ済まないわ!
私が勝手な事をしたばっかりに、家族にも迷惑が・・・
あー!絶体絶命よ!
シン・チェギョン!どうする???
「話さないなら・・・、服を脱ぐか、護衛官に連行させるか・・・どちらにする?」
「そ、そんな・・・、えっと・・・その・・・。」
「ん?どうした?話す気になったか?」
「それは、あの、えっと・・・。」
「どうして、暗室に入ったんだ?」
「それは、あの・・・その・・・。」
「さあ、早く言え!」
「えっと・・・、私・・・、ずっと、ず~っと・・・。」
「ずっと?」
「殿下のことを・・・。」
「僕を?」
「ずっと以前から・・・殿下をお慕いしていたんです!」
「は?」
「あの・・・、憧れのお方のお部屋を、覗いてみたくて・・・申し訳ございません!」
思い切り頭を下げたから、皇太子の表情は分からない。
うう~!
こんな理由、通用するかしら?
「ふ~ん・・・、僕のことが好きだから、暗室に入ったと?」
「本当に恐れ多いことを・・・。女官が私的感情を持って務めてはいけないことは分かっています!でも、どうしても、気持ちを抑えきれず・・・。」
「咎めを受ける危険を冒しても、僕に近づきたかった、というのか?」
「近づくなどと・・・ただ、誰も知らない殿下の一面を見たいと言う好奇心に勝てず・・・。」
「それほどに、僕が好きだと言うのなら・・・。」
頭を下げたままで床を見つめていたら、靴の先が視界に入って来た。
皇子が前に進んで、こちらに近づいている。
「おまえの思いを叶えてやろう。」
「へ?」
気付いた時には、私は体を起こして、顔を上げていた。
皇子が私の顎に指を添えて、くいっと上げたせいで・・・。
その時初めて、皇子の表情が変わったのを見た。
ほんの少し口元が動いて、ニヤッと笑った気がしたの。
そして、いきなりその顔が迫って来た。
少し傾けたその角度から、この後起るであろう出来事は、想像に難くない!
それは、思考よりも、体が先に察知していた。
パッシ~ン!
時間が、止まった・・・
いや、止まって欲しかった!
この場から逃げるための時間が欲しい!!!
けれど、たとえ時間があっても、私は逃げることなど出来なかっただろう。
自分のしたことに驚いて、足の力が抜けてしまったから。
抱えていたシーツが床に落ちると、その上に座り込み、
皇太子と言う尊い玉体に、ものすごい勢いで触れてしまった自分の右の掌を見つめた。
手の震えと共に、体も震えている。
見上げると、皇子はふっと笑っていた。
血なんて出てやしないのに、指先で口元を拭ったりして・・・。
「やってくれたな・・・。」
皇子が・・・悪魔に、見える・・・
ああ・・・私の人生は・・・終った・・・
---to be continued
皇太子をぶん殴る・・・ここではありがち!
チェギョンの人生が終わったら、お話の続き書けないわ~(笑)
息を潜めて、外の会話に耳をそばだてた。
「・・・、明日の予定は、それで全てか?」
「はい、殿下、公務は以上です。あと、来週の週末に長老様のお宅にお誘いを受けておりますが、お返事はいかが致しますか?」
「ああ、そうだった・・・断り続けるのも、そろそろ限界だな・・・。」
「たしか、ご友人からもパーティーのお誘いがおありで・・・?」
「ああ・・・、おそらく行けない、とは言っておいたが、はっきりと返事はしていないんだ。」
「私から、連絡致しましょうか?」
「いや、自分で断りの電話を入れる。長老には、招待を受ける旨、連絡してくれ。」
ああ・・・ヤバい!
こんな所に隠れていることがバレたら、殺されちゃうよ!
とりあえず、電気を消そう・・・そ~っと、プツリ・・・
ぎゃーっ!真っ暗!!!
「畏まりました、殿下。では、私はこれで・・・。」
「ああ、ご苦労だった、コン内官。」
従者が去って行き、パビリオンンに響く足音が遠くなった。
このままここに居て、皇太子が入って来たら、どうする?!
とにかく しゃがみ込んで体を小さく丸めて、部屋の隅に身を寄せた。
「もしもし、ファンか?ぼくだ。」
あ、誰かに電話してる?
「この間誘ってくれたパーティーだが、やはり出られそうにない。」
さっき言ってた、ご友人ね?
「ああ、そうなんだ。せっかく誘ってくれたのに、悪いんだが・・・・。」
ああ・・・、どうやって、ここから出よう?
「じゃあ、また今度、予定が合えばゆっくり話そう。」
電話は終わったみたいね。
皇太子、散歩にでも行ってくれないかなぁ・・・
「ん?これは・・・、コン内官、ファイルを忘れて行ったな。丁度、正殿に用事もあるから、ついでに届けてやるか?」
部屋の外に、カツカツと靴の音が消えて行く!
やった!皇太子は正殿に行ったわ!
ということは、しばらく戻らない!
今のうちに、ここを脱出しなくちゃ!
暗やみの中を這いつくばって、カーテンの出口へと進んだ。
外の気配を伺えば、シーンと静まり返っている。
今がチャンス!
ちょっとだけめくった遮光カーテンをくぐり、そのまま四つん這いでガラス扉に向かう。
誰か来たら直ぐに身を隠せるように、机の傍を通ったりして・・・
サッサと出なっくちゃ!
パビリオンなら、その場に居る言い訳はいくらだって出来るわ!
出口に近づいて少しホッとして、そろそろ立ち上がって歩こう、と思った時だった。
目の前に突然、2本の棒のようなものが現れて、行く手を阻んでいる。
これは?と思って、よく見れば、それは男性物のズボンの生地の様に見える・・・
まさか・・・護衛官?
どうしよう?
皇子の部屋に居る言い訳・・・そ、そうだ!
シーツ交換よ!
途中で落とし物をして、探していることにしよう!
ゆっくりと顔を上げて、下から舐め上げるように、その人の姿を確認した。
結構背が高くて、顔に辿り着くのに時間がかかり、ほとんど天井を見上げるような角度で、首が痛かった!
辿り着いて、目と目が合った。
切れ長の瞳が、凍り付くほどに冷たく光っている・・・
目の前に立ちふさがっているものは、信じられない存在。
「ひっ!・・・こう・・・たい・・・し・・・」
何?!
正殿に行ったんじゃなかったの?
あ、やっば~い!
敬称を付けるの、忘れた!!!
「で、殿下???!!!」
「何をしている?」
「も、申し訳ございません!あの、えっと・・・コンタクトを落としてしまいまして!」
く~!苦しい言い訳だ!!!
私、視力は裸眼で1.5よ!
「そうか・・・。一緒に探してやろうか?」
「め、滅相もございません!どうせ使い捨てですので、大丈夫です!失礼致しました!」
慌てて立ち上がり、一目散に部屋を出ようとしたところで、背中に冷たい声が刺さる。
「おい、待て!」
「ひっ!な、何でございましょうか?」
「忘れ物だ。」
「え?」
ふり向くと、皇子はベッドのある方向を指さしていた。
傍らの床に、取り替えたシーツとケットカバーが丸まっている。
「も、申し訳ございません!」
急いで戻って、シーツとカバーを丸ごと胸に抱えて、再び扉へ向かったけれど、長身の体がスッと前に出て来て、またまた行く手を塞がれた!
無表情の視線が怖い・・・
この表情、何を考えているのか、さっぱり分からない!
「僕の部屋で、何をしていた?」
「あの・・・、ベッドメイクを・・・。」
「ふっ・・・、暗室に、ベッドは無いはずだが?」
「うっ・・・。」
やだ!暗室に入っていたこと、バレてるし!
「あの・・・えっと・・・、コンタクトが転がって行ったかと・・・。」
「軽いコンタクトが、絨毯の上を転がる、とでも言うのか?」
「そ、それは・・・。」
「暗室から、何を持ち出した?」
「そんなことはしていません!何も、どこにも、触っていません!チラッと見ただけです!」
「僕と内官の話を、立ち聞きしていただろう?」
「いえ、立ってませんでした。」
「ん?」
「あ、いえ・・・、えっと・・、出るに出られず、仕方なく・・・ワザとじゃないんです!」
「ふ~ん・・・、信用できないな。」
「ホ、本当です!」
「じゃあ、確かめさせてもらおうか?」
「へ?」
皇太子の手が伸びて、私の両腕に添えられた。
「え?」
「ボディチェックだ。」
「は?」
添えられた手が、ほんの少し腕を撫でた。
ボディーチェックって・・・体中触られるの???
シーツをぎゅっと抱きしめて、思わず後ずさると、皇子の手が腕から離れた。
「ふふっ・・・、やはり、何か持っているんだな?」
「そ、そうじゃありません!本当に、何も・・・」
「じゃあ、どうして逃げるんだ?」
何なのよ!
このスケベ皇子!
体を触られると思ったら、逃げるに決まってるでしょう?
まったく、乙女心を分かってないんだから!!!
「本当に何も持ち出して居ないと言うなら、その証明をしてもらわなくては帰せないな。」
「証明?」
「服を全部、脱いでもらおうか?」
「は?」
「ここで、真っ裸になって、何も持って居ない事を証明しろ。」
「そ、そんな・・・。」
やっぱりこいつ、超スケベ!
どうしよう・・・こんな所で服を脱ぐなんて・・・しかも、まっぱって!!!
あり得ない!!!
「ふっ・・・、相当に困っているな。正直に話せば、許してやってもいいぞ。」
「正直に・・・。」
「暗室に入り込んだ本当の理由だ。コンタクトっていうのは、無しだ!」
正直に、って言われても・・・
本当のことを言ったら、それこそ、ただじゃ済まないわ!
私が勝手な事をしたばっかりに、家族にも迷惑が・・・
あー!絶体絶命よ!
シン・チェギョン!どうする???
「話さないなら・・・、服を脱ぐか、護衛官に連行させるか・・・どちらにする?」
「そ、そんな・・・、えっと・・・その・・・。」
「ん?どうした?話す気になったか?」
「それは、あの、えっと・・・。」
「どうして、暗室に入ったんだ?」
「それは、あの・・・その・・・。」
「さあ、早く言え!」
「えっと・・・、私・・・、ずっと、ず~っと・・・。」
「ずっと?」
「殿下のことを・・・。」
「僕を?」
「ずっと以前から・・・殿下をお慕いしていたんです!」
「は?」
「あの・・・、憧れのお方のお部屋を、覗いてみたくて・・・申し訳ございません!」
思い切り頭を下げたから、皇太子の表情は分からない。
うう~!
こんな理由、通用するかしら?
「ふ~ん・・・、僕のことが好きだから、暗室に入ったと?」
「本当に恐れ多いことを・・・。女官が私的感情を持って務めてはいけないことは分かっています!でも、どうしても、気持ちを抑えきれず・・・。」
「咎めを受ける危険を冒しても、僕に近づきたかった、というのか?」
「近づくなどと・・・ただ、誰も知らない殿下の一面を見たいと言う好奇心に勝てず・・・。」
「それほどに、僕が好きだと言うのなら・・・。」
頭を下げたままで床を見つめていたら、靴の先が視界に入って来た。
皇子が前に進んで、こちらに近づいている。
「おまえの思いを叶えてやろう。」
「へ?」
気付いた時には、私は体を起こして、顔を上げていた。
皇子が私の顎に指を添えて、くいっと上げたせいで・・・。
その時初めて、皇子の表情が変わったのを見た。
ほんの少し口元が動いて、ニヤッと笑った気がしたの。
そして、いきなりその顔が迫って来た。
少し傾けたその角度から、この後起るであろう出来事は、想像に難くない!
それは、思考よりも、体が先に察知していた。
パッシ~ン!
時間が、止まった・・・
いや、止まって欲しかった!
この場から逃げるための時間が欲しい!!!
けれど、たとえ時間があっても、私は逃げることなど出来なかっただろう。
自分のしたことに驚いて、足の力が抜けてしまったから。
抱えていたシーツが床に落ちると、その上に座り込み、
皇太子と言う尊い玉体に、ものすごい勢いで触れてしまった自分の右の掌を見つめた。
手の震えと共に、体も震えている。
見上げると、皇子はふっと笑っていた。
血なんて出てやしないのに、指先で口元を拭ったりして・・・。
「やってくれたな・・・。」
皇子が・・・悪魔に、見える・・・
ああ・・・私の人生は・・・終った・・・
---to be continued
皇太子をぶん殴る・・・ここではありがち!
チェギョンの人生が終わったら、お話の続き書けないわ~(笑)